CLUB DEEP DIVE ・ TEMPORADA 2026/27

RCDエスパニョール
完全ガイド

同じバルセロナを本拠地としながら、FCバルサとは対照的な成り立ちを持つクラブ。1部復帰2年目のシーズンを、歴史・監督・選手名鑑からまとめた。

RCD Espanyol
RCD Espanyol de Barcelona
バルセロナ/カタルーニャ州 ・ 創設1900年

どんなクラブ?:バルサとの対比構造

RCDエスパニョールは1900年10月28日、バルセロナ大学の工学生アンヘル・ロドリゲス・ルイスらによって創設された。1899年に既に活動していたFCバルセロナが、当時イギリス人・スイス人ら外国人選手を中心に構成されていたのに対し、エスパニョールは「スペイン人選手のみで構成された最初のクラブ」として設立された、という成り立ちが広く知られている。

1912年には国王アルフォンソ13世から王室庇護(レアル)を受けている。ただし近年の学術研究では、「エスパニョール=反カタルーニャ」というイメージは、当時のカタルーニャ・ナショナリズム系メディアがバルサ支持の立場から「バルサのアンチテーゼ」としてエスパニョールを位置づけたことで形成された側面が強い、との指摘もある。単純な二元論には歴史学的に異論があることは付け加えておきたい。

それでも現代においては、スペインという国民的アイデンティティを重んじる層、カタルーニャ独立に否定的な層から支持される傾向があるとされ、これが同じ都市を本拠地とするバルサとの対抗意識——バルセロナ・ダービー——を形作っている。通算成績はバルサが大きく上回る(全競技通算:バルサ129勝、エスパニョール44勝、46分け)が、1957年のコパ・デル・レイ決勝など歴史的な一戦も存在する。

「ペリコス」という愛称

エスパニョールのファン・選手は「ペリコス(Pericos)」と呼ばれる。由来には諸説あり、旧本拠地サリア競技場周辺にインコ(perico)が生息していたという説や、当時の風刺週刊誌に描かれたインコの漫画キャラクターに由来する説などが並立しており、定説はない。

基本データ

創設
1900年10月28日
本拠地
RCDEスタジアム(コルネリャ)
収容人数
約38,000〜40,500人
愛称
ペリコス
コパ・デル・レイ
4回(1929, 1940, 2000, 2006)
リーグ優勝
無し(クラブ史上唯一未経験)

UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)では1987-88シーズン、2006-07シーズンの2度決勝に進出しているが、いずれもPK戦の末に準優勝(2007年はセビージャに敗戦)。「リーグ優勝経験のないクラブ」というのはスペインサッカー界でもよく知られた事実で、コパ・デル・レイと欧州カップ戦での爆発力が持ち味のクラブと言える。

2部からの再昇格:現在地

2022-23シーズン末に2部(セグンダ)に降格。2024-25シーズンの昇格プレーオフ決勝でレアル・オビエドと対戦し、第1戦を落とすも本拠地での第2戦でハビ・プアードが前半終了間際に2得点し2-0で勝利、合計2-1で1部復帰を決めた。

1部復帰1年目の2025-26シーズンは11位で終え、しっかりと中位に定着。2026-27シーズンは1部復帰2年目、さらなる上積みを目指すシーズンとして開幕している。

監督:マノロ・ゴンサレス

本名ホセ・マヌエル・ゴンサレス・アルバレス。1979年1月14日生まれ、スペイン・ガリシア州出身で幼少期にバルセロナへ移住した47歳。選手時代はバルセロナ下部リーグでプレーし、サン・ガブリエル、モンタニェーサ、バダローナ、CDエブロ、ペーニャ・デポルティーバ(イビサ)と、地道に指導者キャリアを積んできた叩き上げの指揮官。

エスパニョールB(下部組織)の監督を経て、2024年3月12日、当時2部だったトップチームの監督に就任。就任からわずか3ヶ月でスポルティング・ヒホン、レアル・オビエドを破りプレーオフを突破し、1部昇格を成功に導いた。2025-26シーズンは11位、契約は2027年まで延長されている。

バスを運転しながら指導者を志した経歴を持つ苦労人——現地メディアでもたびたび取り上げられる、地に足の着いたキャリアの持ち主。

チームのプレースタイル

① 基本布陣は4-2-3-1
ダブルボランチの前に3人の攻撃的な選手を並べ、1トップへ供給する形が基本。

② 規律を重視した現実的な守備
限られた戦力で1部に定着するため、守備の安定と組織的な規律を土台に据えるアプローチ。

③ サイドアタックの活用
ハビ・プアード、ティリース・ドランら両ウイングのスピードを生かした攻撃が持ち味。

直近の一戦:第1節 vs レバンテ(2026年8月16日、RCDEスタジアム)

結果は3-0の快勝で開幕を白星スタート。ロベルト・フェルナンデスが前半だけで2ゴール(5分、40分)を記録する活躍を見せ、後半にドランが加点し完勝で締めくくった。布陣は4-2-3-1。今夏加入のクイリンチー・ハートマンはロヘル・イノホとの左SB争いに敗れ、この試合はベンチスタートだった。

続く第2節(8月22日、対レアル・マドリー、モウリーニョ体制の実質開幕戦)は1-2で惜敗。ラウル・カラの得点で一時同点に追いついたが、終盤にカルロス・エスピに決勝点を許した。

選手名鑑の見方

Transfermarkt(2026-27シーズン)をもとに作成。今夏はクイリンチー・ハートマン、ガブリエル・モスカルド(PSGよりレンタル)、アレックス・カラトラバのほか、バンヤ・ドルクシッチ(ゼニト)、ウナイ・ヌニェス(セルタ・デ・ビーゴ)、ブライアン・サラゴサ(バイエルン)、アンドニ・ゴロサベル(アトレティック・クルブ)と、レンタルでの補強が相次いだ。一方でルベン・サンチェス(エルチェCFへ完全移籍)のほか、シリル・ンゴンゲ、カルロス・ロメロらレンタル組が契約満了で退団し、世代交代が進んでいる。

GK ゴールキーパー
DF ディフェンダー
MF ミッドフィールダー
FW フォワード