どんなクラブ?
レアル・ソシエダ・デ・フトボルは、1909年9月7日にスペイン北部バスク州の港町サン・セバスティアンで創設されたクラブ。クラブ名を直訳すると「王立サッカークラブ」。
面白いことに、スペインで単に「レアル(La Real)」と言った場合、レアル・マドリードではなくこのクラブを指すことが多い。愛称は「ラ・レアル」、そしてバスク語で「白と青」を意味する「チュリ・ウルディン(Txuri-urdin)」も広く使われる。
バスク地方をともに本拠地とするアトレティック・クルブとの一戦は「バスク・ダービー」と呼ばれ、地域の誇りを懸けた特別な一戦として知られる。
基本データ
クラブ史上の栄光
リーグ優勝は1980-81・1981-82シーズンの2回(当時2連覇を達成)。準優勝も1979-80・1987-88・2002-03シーズンの3回経験している。
コパ・デル・レイ(国王杯)は1909年・1987年・2020年・2026年の計4回優勝。直近では2025-26シーズンに、決勝でアトレティコ・マドリードをPK戦の末に破り、劇的な国王杯制覇を果たした。
下部組織(カンテラ)出身選手を大切にする育成方針でも知られ、ミケル・オヤルサバル、アントワーヌ・グリーズマン、シャビ・アロンソ(現指導者)といった世界的な選手・指導者を輩出している。トップチームは「カンテラ出身60%、外部獲得選手40%」を目安に編成される伝統がある。
監督:ペッレグリーノ・マタラッツォ
ドイツ生まれ、アメリカ出身の指導者。VfBシュトゥットガルトなどブンデスリーガでの指揮経験を持つ。
2025年12月にソシエダの監督に就任。就任早々のチームを率い、2025-26シーズン終盤にコパ・デル・レイ制覇という結果を残した。2026-27シーズンが本格的な1年目のシーズンとなる。
チームのプレースタイル
① ハイプレス+ポゼッション
前線からの積極的な守備で相手ゴールに近い位置でボールを奪い、そこから素早く攻めるのが伝統的な持ち味。運動量とハードワークを惜しまないのがソシエダらしさ。
② 久保建英を活かした右サイド攻撃
技術と仕掛けに優れる久保が右サイドの起点。単独での打開力に加え、周囲との連携で崩す形も多い。マタラッツォ体制ではサイドに張り付くのではなく、中央寄りのハーフスペースへ絞って「シャドーストライカー」的に振る舞う場面が増えており、より自由度の高い役割を与えられているとの見方がある。
③ オヤルサバルの得点力
キャプテンでエースのオヤルサバルがゴール前での最後の仕留め役。ポジショニングの良さと冷静な決定力が武器。
④ カンテラ出身選手の存在感
バレネチェア、ズビエルディアら生え抜き選手がチームの土台を支え、クラブのアイデンティティを体現している。
基本フォーメーション:4-4-2
2026年8月21日のベティス戦(第2節)で実際に採用されたのが4-4-2。中盤はフラットな4枚だが、久保は右サイドの高い位置を取り、実質的に前線に近い役割を担っていた。下は実際のスタメン・立ち位置を再現したもの。
試合展開や相手によっては4-2-3-1や4-3-3にシフトすることもあり、シーズンを通して微調整される見込み。
補強の少なさへの懸念
今夏はカルロス・ソレル、ヤンヘル・エレーラ、喜多壱也ら新加入があったものの、他クラブと比べると補強のインパクトは控えめという見方が現地メディアでも出ている。前シーズン終盤にコパ・デル・レイを制した上積みをどう継続するか、また久保やオヤルサバルら主力に依存する戦い方からの脱却が図れるかが、今シーズンの課題として注目されている。
久保建英、正念場のシーズン
今シーズン開幕時点で、久保は無条件のレギュラーとは言えない立場にある。長期離脱から復帰途上にあるジョン・バレネチェアの後塵を拝む形で出場機会を得ているのが実情で、バレネチェアが万全でないうちの起用という側面が強い。現地では今のチームを「オヤルサバルとゲデスのチーム」と表現する声もあり、数シーズン前にはチーム最高の攻撃的存在と目されていた久保にとって、まずは明確なスタメンの座を取り戻すところからのスタートとなっている。
得点面でも数年にわたる下降傾向が続いており、直近シーズンは2ゴールにとどまるなど一桁台の低い数字が続いている。背景にあるのは質の低下というより度重なる負傷。2024年9月の代表活動中に負った足首の負傷が長引いたほか、バルセロナ戦での内転筋の損傷、さらにW杯で負った膝の新たな負傷は現在も慎重な経過観察が続いており、プレシーズンや開幕直後もテーピングでしっかり固めた状態でプレーしている状況が伝えられている。それでも、万全な状態の久保がチーム屈指の攻撃力を持つ選手であることに変わりはないというのが現地の一致した見方だ。
契約面では2029年までの延長にサインしており、違約金は約6000万ユーロと報じられている。ただし直近の出場機会や結果を踏まえると、この金額を正当化しづらい状況になっているというのが現地の見立てで、移籍市場を再び動かすには最低でも一桁台後半、理想を言えば二桁得点に到達するような結果が必要になるとされる。リヴァプールの関心が以前から報じられているが、まずは数字で証明することが前提という受け止めだ。同じクラブに5年在籍しているのは久保のキャリアの野心を考えるとやや長すぎるとの声もあり、今シーズンの復調はW杯予選を戦う日本代表にとっても、本人の今後のキャリアにとっても重要な意味を持つ。
選手名鑑の見方
2026年8月時点の登録選手をもとに作成。背番号は確認できた選手のみ表示し、未確認の選手は「ー」としています。今夏はカルロス・ソレル(PSG)、ヤンヘル・エレーラ(ジローナ)、喜多壱也(京都サンガ)らが新加入。
