CLUB DEEP DIVE ・ TEMPORADA 2026/27

セビージャFC
完全ガイド

UEFAヨーロッパリーグ史上最多7回優勝、決勝無敗という異名を持つ「欧州カップ戦の職人集団」。財政危機からの再建途上にある2026-27シーズンの現在地を、歴史・監督・選手名鑑からまとめた。

Sevilla FC
Sevilla FC
セビージャ/アンダルシア州 ・ 創設1890年

どんなクラブ?

セビージャFCは1890年1月25日、英国副領事エドワード・ファークハーソン・ジョンストンを初代会長に創設された、スペインでも最古参の部類に入るクラブ。正式なサッカー協会登録は1905年10月14日。本拠地はアンダルシア州セビージャ、スタジアムはエスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスファン

同じセビージャを本拠地とするレアル・ベティスとの一戦は「エル・グラン・デルビ」と呼ばれ、1915年の初対戦以来続く伝統の一戦。通算成績はセビージャが66勝、ベティスが41勝、36分けとセビージャがやや優勢(過去10年はホームのピスファンでの支配力も含め特に強い)。過去には暴力事件で警察・裁判所が介入した歴史もある、スペイン屈指の熱いダービー。

基本データ

創設
1890年1月25日
本拠地
ラモン・サンチェス・ピスファン
収容人数
43,751人(改築後55,000人予定)
愛称
ロス・ネルヴィオネンセス

スタジアム改築計画:「新ラモン・サンチェス・ピスファン」として収容55,000人への大規模改築が承認済み。2026年6月1日着工、2028年完成予定、総工費3〜3.5億ユーロ規模(CVCキャピタルの融資を含む)。改築期間中は仮本拠地としてラ・カルトゥハ・スタジアムを使用する予定。

欧州カップ戦の職人集団:UEFAヨーロッパリーグ7冠

セビージャ最大の誇りは、UEFAヨーロッパリーグ/UEFAカップでの7回優勝(2005-06, 2006-07, 2013-14, 2014-15, 2015-16, 2019-20, 2022-23)という、欧州サッカー史上最多の記録。しかも決勝では一度も負けたことがない。2014年から2016年にかけては史上唯一となる3連覇も達成している。

一方でリーガ・エスパニョーラ優勝は1945-46シーズンの1回のみ。以降80年間リーグ制覇から遠ざかっており、「国内では勝てないが、ヨーロッパになると別チームになる」というのが長年のセビージャのイメージだった。コパ・デル・レイは複数回優勝(詳細な回数は資料により差異あり)、2006-07シーズンにはUEFAスーパーカップも制している。

財政危機と大規模な再建(2026年最大のトピック)

近年のセビージャは深刻な財政難に直面している。2023-24シーズンは8,200万ユーロの赤字、2024-25シーズンも推定6,000万ユーロの赤字を計上。2020-21シーズン以降の累計損失は約2億4,500万ユーロに達する。

2025年6月末には純資産が法定基準を下回り解散事由に該当するリスクまで報じられたが、クラブ会長は「解散手続きには入っていない」と説明。過去2年間で人件費を8,000万ユーロ削減し、2025-26シーズンでもさらに4,000万ユーロの削減を予定している。

2026年夏は主力の大量放出→若手・格安補強への世代交代を断行。セサル・アスピリクエタ、ネマニャ・グデリィ、ジョアン・ジョルダン、アレクシス・サンチェス、アドナン・ヤヌザイら経験豊富な顔ぶれが軒並みチームを去り、公式スカッドは大きく若返った。まさに再建の真っ只中にあるシーズンと言える。

監督:ルイス・ガルシア・プラサ

1973年生まれ、マドリード出身の53歳(2026年時点)。2025-26シーズン途中の2026年3月24日、マティアス・アルメイダの解任を受けて指揮官に就任した。契約は2027年まで。

指揮キャリアはUDアルテア、ビジャレアルB、エルチェCFから始まり、レバンテUDでは2部から1部への昇格を達成。ヘタフェCFでは安定した上位クラブとしての地位を確立した。その後UAE・中国・サウジアラビアのクラブでも指揮を執り、帰国後はRCDマヨルカ(2020-21シーズン昇格)、デポルティボ・アラベス(昇格達成、2024年12月まで指揮)を経て、セビージャの指揮官に就任。リーガ・エスパニョーラでの通算指揮試合数は229試合に達する、経験豊富な指揮官。

「絶対的な単純さ(簡潔な戦術)」を掲げ、精神的に限界にあったチームに複雑な戦術実験は課さない——就任当初からの一貫した方針。選手との距離の近いマネジメントと直接的なコミュニケーションで知られる。

チームのプレースタイル

① 基本は4-2-3-1、状況により4-4-2
複雑さより明快さを優先する采配方針のもと、シンプルな2つの布陣を使い分ける。

② サイド攻撃とクロス、空中戦の活用
技巧派ではなく、サイドからのクロスと空中戦の強さを軸にゴールに迫るスタイル。

③ 守備の堅牢性とフィジカルの強さ
財政難で戦力が限られる中、まず守備の強度と球際の強さを土台に据える現実的なアプローチ。

④ 素早いトランジション
ボールを奪ったら縦に速く仕掛ける、鋭いカウンター性を持たせた攻撃移行を重視。

直近の一戦:第2節 vs アトレティック・クルブ(2026年8月22日、アウェイ)

結果は3-1の快勝。「大聖堂」ことサン・マメスに乗り込んでの完全アウェイゲームで、開幕2連勝を飾った。布陣は4-2-3-1。前半15分、オソの先制ゴールで試合を優位に進めると、後半開始からロビー・ウレ→イサーク・ロメロ、ペケ→ニコ・ギジェン、ミゲル・シエラ→チデラ・エジュケという大胆な3枚替えを敢行。この采配が的中し、エジュケ(50分)、ロメロ(57分、オソのアシスト)と立て続けに加点し、突き放した。

アトレティックがアイトール・パレデスの一発(70分)で意地を見せたが、逃げ切って移動距離のあるアウェイゲームを快勝で終えた。第1節ラージョ・バジェカーノ戦(2-1、96分のペケのPKで劇的勝利)に続く開幕2連勝で、再建シーズンの好スタートを切っている。

選手名鑑の見方

クラブ公式サイト(sevillafc.es)のスカッド一覧を個別に確認して作成(2026年9月時点)。2026年夏の財政再建に伴う大規模な選手入れ替えにより、旧シーズンの主力の大半が入れ替わっている。移籍期限最終日(8月末〜9月1日)にはユスフ・フォファナ(ACミランよりレンタル)、フェリックス・コレイア(リールよりレンタル)が滑り込みで加入。一方、第2節で先制ゴールを決めたオソはストラスブールへ完全移籍で退団しており、掲載スカッドには含まれていない。

GK ゴールキーパー
DF ディフェンダー
MF ミッドフィールダー
FW フォワード